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2012年 10月 03日

CL観戦記、ベンフィカVSバルセロナ。

鉄は熱いうちに打てってことで、モロッコの記事は後にして昨晩のことを。


UEFAチャンピオンズリーググループステージ第2節、ベンフィカVSバルセロナ。


場所はエスタディオ・ダ・ルス。収容人数は65,647人で、
僕がチケットを購入した時にかろうじて空いていた席にも観客が入っていたので、
恐らくは満員だったでしょう。


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UEFAの五つ星スタジアムに認定されていて、
2004EUROの決勝が行われ、来シーズンのCL決勝の舞台にも決定している格式の高いスタジアムです。


素晴らしい雰囲気でした。もはやスポーツ観戦というよりは一大エンターテイメントですね。


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ベンフィカのチーム愛称はイーグルス。
試合開始前には鷹がスタジア内を華麗に飛び回るパフォーマンスがありました。
これが凄いかっこいいのよ、いやでも盛り上がる感じ。


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それから選手が入場して、例のチャンピオンズリーグアンセムが流れます。
軽く鳥肌もんでした。






ここから先は専門用語続出するんで、サッカーに詳しく無い方、興味無い方は読み流して下さい。
とある後輩から杉山茂樹ばりの記事をっていうプレッシャー受けてるんで、
ちとめんどくさいし、長くなりそうですが、サッカー小僧の皆さんは是非ついて来て下さい。
そして感想をお待ちしております。





バルセロナの陣形はいつも通りの4-3-3、
個人的には凄く見たかった3-4-3に変化させることはありませんでした。

GKはバルデス。
DFは右からアウベス、プジョル、マスチェラーノ、アルバ、
MFは底にブスケッツ、右にシャビ、左にセスク、
FWは右からペドロ、メッシ、サンチェス。

プジョルがCK時のプジョルらしい飛び込みを見せてその時の着地で左肘脱臼、
その様子を見て頭を抱えるメッシ、そしてすぐにNGサインを出す両チームのメンバー。
すぐに大怪我だとわかりました。実際、僕の所からでも腕がおかしくなってる様子が見えたほどです。

そのためにソングと交代、セスク→イニエスタ、ペドロ→ビジャの交代もありました。



対するベンフィカは中盤がアンカーひとりとその前に4枚フラットな、4-1-4-1。
プレスをかけるには最も効率の良い形かも知れません。






そして僕のポジションはというと、ゴール裏3階席中央よりの文字通りの一番上。


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周りは98パーセント以上ベンフィカファン。
僕は自分が所属するフットサルチームのユニホームを着て、あくまで中立の立場で観戦です。


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なーんも気にしないで撮ってくれるもんだから思いっきりレンズキャップが写ってます、すいません。








しかしスタンドの傾斜は見事です、もちろんサッカー専用スタジアムでトラックとか無いので、
めちゃくちゃ見やすい。オーロラビジョンは控えめなのが2個だけ。
しかも俺の席からははっきり見えない。選手紹介の時にはちと困ったが、他に困ることは無い。


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試合経過などはこちらを参考にして下さい。














生まれて初めての俯瞰で見るバルサ








テーマはコレに絞って話を進めていきたいと思います。




あくまで個人的な印象だし、
サッカー好きだけど、最近のJリーグや代表戦もスタジアムで観戦するほどでは無いし、
海外サッカーもWOWOWでガンガン見てるってほどでもない。


むしろ旅に出てからの方がカフェとか宿のテレビでよっぽど見てます。





そんな程度のサッカー小僧の話です。
普段、勉強させてもらってるのは杉山茂樹さんのブログや著書なので、
パクリな語り口が多いと思いますのであしからず。











では第一印象、





俯瞰で見るとやっぱり面白い





俯瞰とはふかんと読みます、うちの妻が読めてなかったので一応。

上から全体を眺めるってことですかね、TV中継とは全く異なる視点でピッチ全体を見渡せて、
両チームの陣形、杉山さんが言う所のピッチのデザインというのがよくわかる。
そしてそのチームのチームとしての意図や哲学がなんとなく浮き彫りになってきます。




そしてバルサに関してはそのデザインの緻密さ、細かくいうなれば選手間の距離や、
パス回しの手順など、決して選手個人のスキルやアドリブによるものではなく、
かなり個別化したシチュエーションでのトレーニングを積んでいるのではないかという印象を受けた。
ボールの位置がここで、あそこにボールを運びたいとなった場合に、
そのパターンがいくつも用意されていて、その通りに正確に実行するって感じですかね。


そしてキーになってるのはブスケッツかな、この試合の印象では。舵取りは彼で味付けがシャビ。
各選手もたぶんブスケッツをいつも見てるし、彼との距離感を気にしてるんじゃないかな。
んで彼自身は絶対にポジショニングとプレー判断を間違えない。昨日は終盤キレましたが。




バルサは「ボールは疲れない」という言葉を確実に体現しているチームです。
それと同時に選手の移動には無駄が無いので「選手も疲れない」といった印象。
短い距離のスプリントは多いが、長い距離のダイナミックなスプリントはほとんど見られない。
この辺りが、最近よくよく"退屈"とか"遅い"とか揶揄される原因だと思うね。



全然前に急がないもんね、えっ、そこでもバックパス?って場面も多々あった。
無理しないんだよね。大抵のチームが確率60%のパス一本で行く所も、
多少時間が掛かっても100%のパス×3本で行く感じです。










では次の印象、





やっぱりは"慣れ"はある





これはこの試合やその前にカフェとかで見てた今シーズンの数試合での印象を含めて。

メッシが巷で言う偽9番の姿を見せたのが08-09シーズンのCL決勝。
以来、そのスタイルで対戦相手をパニックに陥れ、得点を重ねてきた。
しかし、その対応方法もかなり研究されてるし、いい加減各チームもバルサに慣れて来てる感じ。
抑えどこを把握してきたというか、少なくとも何をしてくるかは"わかってる"って感じがする。



やっぱりこの"わかってる"というのはデカいよね。



何をしてくるか分からないから怖いし、マークもズレるのであって、
すんげえパス回しもわかっていればある程度対応出来る。
それが顕著になったのが昨シーズンですかね。







それに対応するためであろうか、
今シーズンから監督がティトに変わってスタイルが徐々に変化してると思う。


まずFW3枚のアウトサイドにイニエスタを使わずに、
あくまでワイドに開けるウイングタイプを置く。
実際、この試合でもセスクに替えてのイニエスタだった。

んで、センターバックからダイレクトにその選手の裏っていうパスを、
あくまで意図的に用いるようになってる気がします。



こうでもしてDFラインを少しでも下げさせたり、広げさせたりして、
相手の前へ前へのディフェンスの圧力を緩めないと、
今までの感じでショートパスだけでこじ開けていくようには崩せないし、
メッシのドリブルに大きく依存したままになってしまいますよね。



だからバルサは変化してます、進化してます。効率良く得点する術も身につけようとしてますわ。










では次、




異物感たっぷりのメッシ





ポジションを右サイドから中央に移してからずっとこうなのかはっきり知らんが、
良くも悪くも動かない。チェイシングも必要最低限。歩いてること、止まっていることが多い。
まぁ相手が相手だったり戦況によってはチェイシングももう少しやるんだろうけど。


ピッチ全体で見ると明らかに浮いてます。陣形デザインを気にしないのです。
TV中継でも何となく感じてはいましたが、今回もろにそれを感じることができた。




足元にタイミング良くもらえればいくらでもかわす技術があるから大きくはずそうとはしないんだよね、
でも外す時の鋭さは尋常じゃない。
でもここのところはまだまだトップフォームでは無い印象。
ていうかシーズン長いからまだまだ全開でやってない感じです。

バイタル手前でかっさらわれる場面もいくつかあったし、
先日のセビーリャ戦では明らかに集中力を切らしたプレーをしてた。
それでもどちらの試合でも貴重なアシストをもたらすから恐ろしい。



大袈裟に言えばスイッチがイチかゼロ。いっきなりトップスピードだよね、マジで。
2点目をアシストした時もちょっとだけポジション替えてワンフェイクで前を向いて、
右サイドからダイアゴナルに中央を切り裂く得意のドリブル、この時の迫力は物凄かった。
でもあんなドリブルはあれぐらいだった気がする。たまになんだよね、本当にたまに。



だから1試合見続けておもろい選手かっていったらそうでもない。ダイジェストで見て凄い選手だし、
採点も付けづらいだろうな〜。でも決定的な仕事が多いからMOMとか多いよね。











んで、次。





やっぱりセスクじゃなくてイニエスタ





セスク、ここのところ決定的な仕事してます。

イニエスタが故障していたのでポジションは中盤3枚の一角の左気味。
昨日もポゼッション具合と比べるとわりに少なかったチャンスを確実に仕上げてくれました。



しかしですよ、終盤にイニエスタが試運転気味に出て来たんだけど、そのプレーぶりに比べると、
バルサのあのポジションの選手としてはイニエスタの方がよっぽどフィットしてると思った。
ポジショニング、動きだし、パスを引き出すタイミング、全然違う。こうも違うかと思わされた。
僕が個人的にイニエスタが心底好きっていうのを差し引いてとしても、
イニエスタが入った時の方がより美しく左右対称に見えたんだよね。




セスクもある意味、異物感を感じさせる選手、特にアーセナル時代はそのキングっぷりが
異常にフィットしてた。中央に構えて全部仕切ってたよね。



でもここではそういうわけにはいかないよね、だからなんだか窮屈そうに見える。
昨シーズンの序盤、メッシの変わりに使われてた頃の方がよっぽど良かったのかもしれない。
でもあの決定力は魅力的、イニエスタには無いものだ。でも1チームに異物はひとつでいいはず。



イニエスタが復帰した今、どのように使われるか気になります。
メッシ、イニエスタ、シャビ、この辺りの誰の代役にもなりうるっていうのは、
ひとりの選手として物凄いことだと思いますが、その分、固定した使われ方がされない分、
まだ戸惑っているのかも。なんにせよ大好きな選手ですが。











そして次の印象、





意外と利き足オンリーなのね





僕は自分がサッカーしてた頃、自分で言うのもなんですが、
左右両方ある程度使えるっていうのがウリでした。
だから見る時もその選手がそのワンプレーに対してどちらの足を使うかはとても気になります。



バルサに関していえば前から意外と利き足オンリーだなって思ってました。
イニエスタもシャビもよくあれであれだけ出来るなって思ってたんです。
実際、彼らがそうなのはライブで見て納得。問題無いです。
そしてブスケッツは役割的にもダイレクトプレーが多く、文字通りの壁パス時には左右を使い分けてますね。
お見事です、今回、改めてブスケッツの偉大さに気づかされましたね。


んで、左サイドバックのアルバは完全にレフティーなので全く問題無し。
昨日、左サイドに構えていたサンチェスも使い分けがちゃんと出来てたし、
代表時の香川にありがちな中に絞ってしまうことも無く、
ピッチをワイドに使えていて監督の意図を理解してる印象でした。



でも唯一違和感を感じたのは左CBに位置するマスチェラーノ。
右足でサンチェスやオーバーラップしたアルバにって場面はいいんだけど、
右サイドからサイドを変えてきて、前方にいるセスクに当てるって場面で右足でパスをだして、
サクッとインターセプトされる場面が2回あった、そしてどちらもピンチになっていた。
まぁ、セスクの方に問題があるのかもだけど。



あのような場面では左足に持ち替えるだけで、
DFの意識は切り返すかも、逆サイドに出すかもってなってインターセプトを躊躇させるはず。
ビルドアップひとつとっても奥が深いなって感じました。



メッシは異物なので別として、
ベンゲル監督が言う所の「1チームに左利きは3人は必要」という言葉を思い出し、
あそこに左利き、あるいはそのレベルで左足を使う選手が入ったら、
さらに左右対称の美しいサッカーになるなって思いました。



左右対称といえば、今期補強した左サイドバックのアルバ、完全に当たりですね。
さすがにスペイン代表であれだけやれてるだけはあります。
おかげで右からも左からもって感じになってますよね、でも右のアウベスはちと調子悪い気がする。
個人的には最悪だと思ったセビーリャ戦よりは良かった印象だけど、
まだまだこんなもんじゃないはずって感じました。




美しいサッカー、それは華麗なパス回しやフィニッシュではなく、
ピッチ全体のデザインを通じてのことだと改めて考えさせられた今回の試合。
評論家でもライターでも何でも無いくせに、何のためにって話も聞こえてきますが、
大変勉強になりました。そういった意味でもやっぱり俯瞰で見るのはいいですね。





日本に帰ったら可能な範囲で、しかも上から見やすいスタジアムに足を運びたいなって思いました。





では、あっさりとしたベンフィカの感想。
まだまだ2チームを同時に評価していけるほどの能力は無いのだと痛感しました。
4-1-4-1がいつもの陣形なのかまでは知らないが、うまくやれてたと思う。
大きく崩されることはほぼ無かった。ブロックは上手く張れてたし、
効果的なドリブルを交えての攻撃もなかなか良かった。
でもゴール裏から見ていて感じたのはゴールの可能性は限りなく低いということ。
何度か枠内シュートもあったが、キーパー正面ばかり。というかベンフィカ選手にしてみると、
ここにしか打てないって状況で打ってそこにバルデスって感じですかね。
GKのポジショニングやDFとの連携、息のあったプレーって重要だなって改めて感じました。



シュートチャンスという意味ではベンフィカの方が多かったかも。
なので余計にメッシの一瞬の輝きとひらめき、セスクの決定力が際立つ試合だったとも言えるが。




んで、パブロアイマールですよ。彼はバレンシア時代にジダンと並び評されたプレーヤー。
後半途中からでしたが、まだまだキレキレ、相変わらずのドリブルとアウトサイドを使った切り返し、
そして絶妙なタイミングの球離れ、魅せてくれました。ありがとうございます。









長くなってきましたね、いい加減疲れてきましたよ。



そう、疲れという意味ではギアチェン具合も手に取るようにわかりました。
チーム全体でのペース配分が徹底してます。良くも悪くも抜きますよね。
90分間全開なんてことはありません。
ゆるくやってる時間も多々あります。しかし、トップギアに入った時の集中力はハンパじゃないです。




んで観客も意外と使い分けてるというか、
日本の観客みたいにずっと歌を歌うなんてこともありません。たまにです、たまに。



でもブーイングとかのリアクションは早いし、凄い。
それでもプレミアリーグの中継で感じるような壮絶さはありませんでした。
お国柄とかあるんだと思います。





しかしホームとアウェーでこんなにも違うのかとびっくりしたのも確かです。
選手紹介時のアナウンスのテンションからして全く違うし、
バルサのチャンス、すなわちベンフィカのピンチではほとんど声は聞こえません。
息をのんでるって感じ。得点時なんてヒドいもんです、悲しみに包まれてます。


逆にベンフィカのチャンスでは物凄いリアクションですが。






長々と書き下ろしましたね、ここまでついてきてくれた方はいるのでしょうか。
心配です、たいていの旅人やうちの奥さんは全然興味無いだろうし、
僕の友人でもここまで深く語ろうとする人間もなかなかいません。


でも自分なりのはじめてのCL観戦、
最安とはいえ40ユーロもした入場料分を楽しんでかつ思考してってことで90分間集中して、
帰り道の人混みでもスリを警戒するために集中して、
帰ってきたらグッタリで、今日は寝坊して、さらにこんな記事を書いてるもんだから
リスボン滞在時間はどんどん過ぎていき、、、そんな感じですが、本当に観れて良かったです。




CL観戦記、ベンフィカVSバルセロナ。_d0177887_23365055.jpg




OKサインを出し、気持ち良く送り出してくれた妻に感謝ですな。




こんなに個人的で生意気な観戦記をここまで読んでくれた方がいたとしたら大変嬉しいです。
感想をお待ちしております。是非とも!
まだまだサッカーというかフットボールに関して書きたいことがあるので、いずれ暇な時に書きますわ。



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by sgyksgyk | 2012-10-03 23:37 | スペインとポルトガルと


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